◆「医療施設動態調査」(3月末概要)
病院の施設数は、2月に比べて2施設が減少し、一般診療所の施設数は97施設増加しており、歯科診療所の施設数は、83施設増加している。
*4月末概要では、3月に比べて、病院の施設数は9施設が減少し、一般診療所の施設数は131の施設が増加している。そして歯科診療所では、111の施設が増加し、前月の同じような傾向性が見られる
その他のデータとしては、種類別に見た施設数及び病床数、開設者別に見た施設数及び病床数、都道府県別に見た施設数及び病床数が表示されている。
○コメント
今各病院は、勤務医師が減少し、医療機関の経営そのものが困難になっているところもみられている。今後とも勤務医師不足を原因とする病院の閉鎖が続き、一般診療所、歯科診療所の開設が続いて行くものと予測されます。
勤務医師を始めレントゲン技師、看護師などの医療関係者の管理体制の整備とリクルート面を配慮した院内広報活動を活発化して行く必要がある。
特にトップは、リクルート面で,きめ細かに配慮し、人材確保こそ医業経営の重要課題であることを肝に銘じていただきたい。<参考>厚生労働省:最近公表の統計資料(統計資料のトップページ)
◆「平成17年度厚生労働省所管公益法人に対する立入り検査の実施について」
(法人運営面)
○理事の構成について、同一業界の関係者が占める割り合いが高い
(理事の現在数を1/2以下とするよう指導)
○登記記載事項について変更手続きが行われていない
(すみやかに登記を行うよう指導)
(事業実施面)
○公益事業の規模が総支出額の1/2以上となっていない。
(事業規模は総支出額の1/2以上とするよう指導)
(財務・会計面)
○内部留保率が30%を越えている(30%以下となるよう指導)
○正味財産増減計算書が作成されていない(作成するよう指導)
○会計帳簿の様式や区分が適切なものとなっていない
(様式を見直し区分を明確にするよう指導)
○計算書類に重要な会計方針などの注記がない
(公益法人会計規準に基づき注記するよう指導)
○コメント
法人運営面では、同一業界の関係者で理事が1/2以下であるよう、つまり、同族法人(同族会社)とならないよう、公益事業の面では、公益事業の総支出額が1/2以上であるよう指摘しており、今後、公益事業面をいかに伸ばしていくかが経営上の課題であり、経営者の知恵の出しどころともいえます。
また、財務・会計の面では、正味財産増減計算書の作成、会計帳簿の様式や区分が適切なものであることなど財務・会計の基本的な取り組みの改善が指摘されてる。帳簿や計算書などの適正な記載は、医業経営を数値で示していく上でも重要で、経営情報の開示という面からも当然で、財務・会計の事務処理の改善が急がれる。
このことは、金融機関を活用する場合、シビアに要求される事柄であり、また、今後、医療機関が独自で資金を調達する直接金融(銀行に頼らない金融、小人数私募債の発行による直接金融)を行う上でも財務・会計面での改善は、今、すぐに着手しなければならない緊急課題といえる。
小人数私募債の発行による資金調達方法についての特別冊子(病院広報研究所所長・東島毅人著 資料込み約80ページ、価格:2万円)は病院広報研究所のホームページで紹介されていますので参照されますように。